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監査・M&A・IPOの現場で見てきたこと

私はこれまで、公認会計士として監査法人に在籍し、上場企業、成長企業、IPO準備企業の監査に携わってきました。その後はM&Aアドバイザリーの現場に身を置き、財務デューデリジェンス(買収候補先の財務を精査する調査)、企業価値評価、PMI(買収後の統合プロセス支援)、金融機関対応にも数多く関わってきました。

そこで一貫して感じてきたのは、数字の重要性です。

会社の規模が大きくなるほど、経営者の感覚だけでは管理しきれない場面が増えていきます。月次決算、予実管理、資金繰り、証憑、承認の流れ、会議体。一つひとつは地味な仕組みです。それでも、これらが整っている会社は、判断の前提がぶれにくい。

  • 数字が早く出る。
  • 後から大きく変わらない。
  • なぜその数字になったのか、背景を説明できる。
  • だから、会議で本来話すべきことに時間を使える。

実務の現場では、この差がとても大きいと感じます。

一方で、私は上場企業の世界だけを見てきたわけではありません。中小・中堅企業が、成長のために投資を判断する場面。資金調達に悩む場面。後継者への承継を考える場面。M&Aや組織再編を通じて、次の選択肢を探る場面。そうした現場にも、長く関わってきました。

中小・中堅企業には、中小・中堅企業ならではの現実があります。

人が限られている。経理専任の担当者がいないことも珍しくない。社長が、営業、採用、資金繰り、銀行対応まで一身に背負っている。理想的な管理体制を作りたくても、現場が回らなければ意味がありません。

この現実から目をそらしたまま、上場企業向けの仕組みをそのまま持ち込んでも、長続きはしないでしょう。

だからこそ私は、監査やM&Aの現場で培った考え方を、中小・中堅企業でも無理なく回る形に落とし込むことを大切にしています。

過剰でもなく、不足でもない。その会社にとって、実際に使える管理の形をつくること。

ここに、公認会計士・税理士としての実務経験を活かす余地があると考えています。