1. 目的の整理
まず、何のために確認が必要なのかを整理します。
銀行対応なのか。社内の意思決定なのか。投資判断なのか。M&Aの初期検討なのか。公的申請や税制申請なのか。株主や役員会への説明なのか。顧問税理士や社内担当者とは別の第三者確認が必要なのか。
目的が曖昧なままでは、適切な手続を設計することができません。AUPにおいて、最初の目的整理は非常に重要な工程です。
この段階では、AUPが適しているかどうかも確認します。目的によっては、AUPではなく、通常の税務相談、財務分析、調査報告、レビュー、監査、デューデリジェンスなど、別の支援形態が適している場合もあります。
2. 手続範囲の合意
次に、何を見るのか、何は見ないのかを取り決めます。
対象資料。
対象期間。
確認する数値。
対象とする取引や勘定科目。
実施する手続。
全件確認か、サンプル確認か。
サンプルの場合の抽出方法。
報告書の利用者。
報告書の利用目的。
確認しない範囲。
配布や利用に関する前提。
これらを明確にしたうえで、手続範囲について合意します。
AUPは、範囲を絞って実施できる業務です。ただし、範囲を絞るほど、何を対象外にするかも明確にしておく必要があります。
「見ていない範囲」まで確認したように受け取られないよう、最初に丁寧に整理しておくことが大切です。
3. 手続の実施
合意した手続に沿って、確認を行います。
資料突合。計算確認。集計確認。証憑確認。残高確認。質問。一覧表と元資料の照合。必要に応じた現場確認や資料閲覧。
実施する内容は、目的と手続範囲によって変わります。手続を増やせばよい、というものではありません。今回の判断に必要な確認を、過不足なく設計することが重要です。
確認の過程で、差異や不足資料、前提の不整合が見つかることもあります。その場合には、合意した手続の範囲内で、確認された事実を整理します。
4. 実施結果のご報告
AUPでは、監査のように「適正です」「問題ありません」といった意見を述べるわけではありません。報告するのは、実施した手続と、その結果として確認された事実です。
どの資料を確認したか。どの金額を突合したか。計算結果はどうだったか。差異があった場合、それはどのような差異だったか。資料が不足していた場合、どの手続が実施できなかったか。サンプルで確認した場合、どの範囲のサンプルを確認したか。
これらを事実に即して整理し、お渡しします。
必要に応じて、AUPとは別に、今後整理すべき論点や資料整備上の課題をメモとして整理することもあります。ただし、その場合も、AUP報告書そのものと、改善提案や追加検討事項は性質が異なるものとして区別します。
