AUPは、保証ではなく「事実確認」の業務です
AUPを検討するにあたって、最初に整理しておきたいことがあります。AUPは、監査やレビューとは性質の異なる業務だ、という点です。
監査であれば、一定の基準に基づいて財務諸表全体を検討し、監査意見を表明します。レビューであれば、限定的な保証を前提とした結論を表明します。
一方、AUPでは、業務実施者が「適正です」「問題ありません」「この計画は妥当です」といった結論を出すわけではありません。あくまで行うのは、あらかじめ合意した手続です。
たとえば、次のような手続です。
- 計画書の金額と根拠資料を突合する。
- 資金繰り表の計算式を再計算する。
- 売上データと請求書を一定範囲で照合する。
- 在庫一覧と棚卸表・台帳の整合を確認する。
- 申請書類と添付資料の金額が一致しているかを見る。
- 月次資料の集計元データと会計帳簿の整合を確認する。
- 承認記録や証憑の保存状況を、合意したチェック項目に沿って確認する。
そして、その結果として確認できた事実を報告します。
報告書を受け取った利用者は、その実施結果をもとに、自らの責任で判断することになります。
そのため、AUPでは最初の設計が何より重要です。
- 何を確認するのか。
- 何は確認しないのか。
- どの資料を前提にするのか。
- 対象期間はどこまでか。
- サンプルで確認するのか、全件で確認するのか。
- 誰が報告書を利用するのか。
- どのような目的で利用するのか。
ここを曖昧にしたまま進めてしまうと、せっかく第三者確認を入れても、判断材料として使いにくい結果になってしまいます。
